なぜ再生可能エネルギーの発電コストは急速に安くなったのか?
対照的に、バイオマス・水力・風力・ 太陽光などの再生可能エネルギーは化石燃料と比較して安全かつエ コであり、エネルギー源として非常に有望で
再生可能エネルギーの価格が化石燃料よりも安くなっている理由を知るには、発電にかかるコストについて考える必要があります。化石燃料と原子力を用いた発電にかかるコストは、発電に使う燃料の価格と発電所の運用コストに大きく依存します。一方、再生可能エネルギーを用いた発電では基本的に燃料のコストがかからない上に、運用コストも比較的安く済むため、実質的な発電コストを左右するのは「発電技術そのもののコスト」だそうです。
太陽光発電のコストが急激に安くなった理由についてRoser氏は、太陽光発電の歴史を振り返る必要があるとしています。最初に太陽光発電技術が実用化された1956年の時点における1ワット当たりのコストは、現代の価格に換算すると1865ドル(約19万円)ほどであり、とても化石燃料を用いた発電と競争できるものではありませんでした。このままであれば「太陽光発電は採算に合わない」として研究がストップすることも考えられましたが、太陽光発電には「宇宙空間での発電が可能」という利点があったため、衛星に電力を供給する目的で研究が進められたとのこと。
太陽光発電のコストが急激に安くなった理由についてRoser氏は、太陽光発電の歴史を振り返る必要があるとしています。最初に太陽光発電技術が実用化された1956年の時点における1ワット当たりのコストは、現代の価格に換算すると1865ドル(約19万円)ほどであり、とても化石燃料を用いた発電と競争できるものではありませんでした。このままであれば「太陽光発電は採算に合わない」として研究がストップすることも考えられましたが、太陽光発電には「宇宙空間での発電が可能」という利点があったため、衛星に電力を供給する目的で研究が進められたとのこと。
再生可能エネルギーのコストが安くなるということは、人々がより安価に電力を得られるようになり、平均所得が低い発展途上国で再生可能エネルギーの需要が高まることを意味します。近年では日当たりのよいアフリカやアジアの発展途上国で太陽光発電の需要が急速に高まっているそうで、今後も再生可能エネルギーを使った発電コストは下がっていくとのこと。「再生可能エネルギーを用いた発電所の建設は、温室効果ガスの排出を迅速に削減するための鍵です。また、大気汚染から人々を救ってエネルギー価格を下げるという副次的な影響により、人々の所得が増えて貧困も減少します」とRoser氏は述べました。