木質バイオマスの熱電併給、事業採算の評価ツールを無償提供 ITmedia 森林研究・整備機構森林総合研究所(森林総研)は、北海道立総合研究機構森林研究本部林産試験場(道総研林産試)と共同で、木質バイオマスを用いた発電・熱電併給事業の採算性評価ツールを開発。無償提供を開始した。




森林総研の評価ツールと、市販の熱収支計算ソフトを組み込んだ道総研林産試の「木質バイオマス発電・熱電併給事業評価シミュレーター」を融合し、新たに熱電併給事業の評価ツールを開発した。Microsoft Excelをベースとするツールで、損益計算に関する関係式の改良を行い、詳細な条件設定が簡単に行えるようになった。入力項目には、初期値が入力されているが、任意の値に変更可能で、ユーザーの想定する発電事業を再現できる。これにより原料の条件、蒸気の抽気条件、熱の販売単価などを変えることによって、電力だけでなく熱(蒸気や温水)の供給を行う事業の採算性を簡便に評価できるという。採算性の評価期間は最大40年間で、燃料価格やFIT価格の変動に対応した試算も可能だ。今後、各地域の原料・熱利用事情に合わせた、比較的小規模な熱電併給事業の検討に活用されることが期待されている。